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「そ……それは」
「それに、相手はあの『レッド』だよ?」
『レッド』。共鳴体を主な主戦力とするテロリスト集団。彼等の破壊行為は徹底しており、まさに名の通り彼等が襲った街は血に染まる。そしてその知的な作戦はしばしば『インヴィテイション』の裏をかき、多大な社会的恐怖を民衆に植え付けている。
「警備員だなんて、生易しいものじゃない。共鳴体は勿論、『インヴィテイション』のように、神経改良された凶悪なテロリストとも戦うんだよ? 『インヴィテイション』が少ない日本は、テロリストの格好の標的だという事実は、ちゃんと認識しているよね?」
「お前は何を言っているんだ?」
だが一枝の重い口上を遮ったのは、あまりにもいつもどおり過ぎる誠二の態度。
「『インヴィテイション』が危険な職業だという事くらい百も承知だ。知った上で僕はスクールに入ったんだ」
拳を握り締め、苛烈な感情を湛えた瞳を一枝に向ける。
「……覚悟なんか、とうの昔に出来ている」
「第一、そいつ等のやり方が気にくわないのよ!」
次いで朱実が憤慨したように肩をいからせている。
「こんな遠回しな事してまで一枝さん叩き出そうとするその根性がムカツク!」
コンクリートで覆われた地面を蹴飛ばす。
「共鳴体の犠牲者を、少しでも減らそうと『インヴィテイション』になりました……私は……だから……こ、この申し出、断る理由がありません」
その言葉を聞き、一枝の顔も綻びる。
皆の機運が高まる中、
「……最悪の事態は考えているのか?」
勇樹は、抑揚に欠けた口調で皆を見渡した。
「クビ? それならまだ良いさ。『インヴィテイション』としてのはやり直しは利かなくても、人生のやり直しは利く。でもな」
死んだら、どうすんだ?
覚悟は、出来ているのか?
……俺は、もう少し考えたい。
言葉以上に、勇樹の想いが皆の肩に重く圧し掛かった。
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