インヴィテイション5 インヴィテイション5
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だから
そして
でも
いつか
きっと
しかし
つまり
それ故
告げる
……

三人の遺影に眼を戻し、春江には背を向けたまま話す。 「でも……私が、もっと嫌なのは、何も出来ない事なの」 呟き、膝の上に乗せた拳をきつく握り締める。 「もう……誰かが死ぬを見るのは、嫌なの」 「……怖くは、ないのかい?」  春江の問いに、一瞬、答えられなかった。 闘うのは、怖い。 ……死ぬのは、もっと怖い。 でも、どんなに怖くても、闘わなければならない時がある。 ……命がけで自分を共鳴体から逃がしてくれた、父のように…… 「……怖いよ」 ……でも…… 「私、初めて自分の意思で決めたの。『インヴィテイション』になるって。友達や、その家族を、守ろうって」  自分に空手を教えてくれた、頑固で、でも頼りがいのある父。 大学に進む時には、あれこれ一緒に悩んでくれた母。 口が悪く、でも香の強さに憧れ、尊敬してくれていた弟。  誰も守れなかった……誰一人守れなかった……!  もう、あんな想いをするのは、嫌だ。 たとえ見知らぬ人であろうとも……あんな悲劇には、誰一人として立ち合わせたくない…… そう……自分にもっと力があれば、皆を守れたのだ。  香は正座したまま祖母の方を向き、無言で見つめる。 「……そうかい」  春江は口をモゴモゴさせ、何か言おうとしたのだろうが、香に言ったのは結局その一言だけ。 「わかったよ、お前の言う事は立派な事だ。頑張りなさい」  けど、と春江は背を向ける。 「お前は、一人じゃないんだからね。お友達や、一緒に戦うお仲間さんもいるんだからね? 一人で全部背負い込んじゃ駄目だよ?」 「……うん」  そして春江が襖を閉めようとする間際、 「……私も、いるんだからね、香や? 無理はしちゃ駄目だよ」  小さく、祖母は呟いた。  香はそれに、何も言わず、ただ深く、深く頭をさげた。